体外受精教室(松本レディースクリニック、はらメディカルクリニック)

現在通っている松本レディースクリニックと、不妊治療の老舗、はらメディカルクリニックの二ヶ所へ、体外受精説明会に行ってきた。

 

松本レディースクリニックの説明会が料金説明にも治療内容にもモヤモヤしてしまい、有名な病院にも行ってみようということで、急遽はらメディカルクリニックにも行くことになったのだ。

 

結果、聞きに行ってとても良かった。説明がわかりやすく、具体的。

 

料金の計算方法、年齢別・処置別の平均採卵個数や妊娠率、それらが書かれた丁寧な資料。治療中の人を誠意を持って受け入れますという気持ちが伝わってきた。

 

仕事のキリがいい9月まではAIHを続けたいと伝えたら、「4回やっても難しかったなら、そのまま続けても可能性は低い」「恐らく卵管かピックアップに問題があるのだから、これ以上AIHをしても難しいと思う。(はっきり)

 

でも可能性はゼロではないし、AIHはどこで受けても技術力に差はない。受診している病院が家から近いなら、今から(はらメディカルに)転院してしまうと初回検査料も余計にかかってしまうし、やるのであればとりあえず今の病院で続けてみたら?」とアドバイスをくれた。

 

卵管とピックアップ。

それはわたしがネットで読んで推測していた原因であり、検査のできない部位であり、松本レディースが言及してくれなかったことだった。

 

こういうアドバイスは嬉しかった。

 

正直こんなに病院によって対応が違うなら初めからここに来たかったと思ってしまったけど、

なるほど、AIHはどこでやってもそんなに変わらないんだ。

 

それなら、AIHまでは通いやすい病院にして体外受精を考えるタイミングで病院を再検討するというのは、まぁ、失敗ではなかったのかもしれない。

 

はらメディカルはやっぱり人気で、平日でも2時間待ちだったりするらしいから、タイミングを取るためだけに通うのはかなり大変だったかもしれない。

 

対して、松本レディースクリニックは、いったいどこにお金をかけているのかと不思議になった。

 

最近、AIHにICチップ認証を導入して、その照合のためのカードを新規で作られ、AIHのたびにICチップ代(二千円/採精容器)がかかるようになった。

しかも予定を取り直すと容器は使えなくなり、

また新しい容器に対してICチップが必要になる。

 

間違い防止は大事だと思うけれど、それって患者がここまで負担しないといけないものなのか。。

 

説明会も、白黒でバラバラの説明書類や料金表。わかりにくい、字幕だけの映像。

(聞きなれない難しい単語を含む内容なのに、

音声がなかったので映像と文字を追うのがとても大変だった)一連のことが重なり、少し不信感を感じてしまったんだと思う。

 

説明会に来ていた人をみる限り、私たちのように体外受精を機に、転院を考える人も多いように見えた。

 

こんな気持ちのまま松本レディースに行く気になれず、二日後に予定していた5回目のAIHをキャンセル。今回はタイミング法だけにすることに。

 

もし体外受精をするかどうか悩んでいる人がいて、このブログを見つけた人がいたら、まずはいくつかの説明会に行ってみることをお勧めしたい。

 

松本レディースクリニックが悪いと言いたいんじゃない。

松本レディースクリニックは、受付の人も先生も丁寧だし、体外受精を迷っていなければ、こんな気持ちにならなかったのだと思う。

 

いろいろな意味でニュートラルなのかもしれない。こちらの意見も言いやすいし、それを最大限生かして進めてくれると思う。

 

でも、なんというか、「早く治癒が終わるように」とはあまり思っていないように見受けられるので、通院が長引いてきて、不安を感じてしまった。

 

はらメディカルの「出来る限り早い卒業(妊娠)を目指す」という言葉にははっとさせられた。

 

子どもが欲しいと思う感情よりも、

最近は上手くいかなすぎて「何故子どもが出来ないか?」に目が向いてしまっていた。

 

不妊治療の中でも、"順調に"進んでいる人なら

どこのクリニックでも問題ないのかもしれない。でも色々と迷いがあったり、料金をしっかり知りたいと思うと、すこし難しい。

 

例えば、松本レディースの説明会だけ聞いた時は、もし仮に、体外受精するならなるべく薬を使わず自然に、体に優しい新鮮胚移植。。と思ったいたけど、はらメディカルに行って、それが甘かったことを知った。

 

数回体外受精しないと授からない可能性を考慮するべきで、その料金と補助金を考えると、最初にできるだけるだけ採卵して、あとはその卵を凍結して挑戦していく方が確率的にもコストパフォーマンス的にも全然良い。

 

※価格のことは、またいつか書きたいと思う。

 

排卵誘発をした方がいい理由というか、その強さの選び方も、松本レディースで相談した時には、「それは当日の体調しだいなので今は何も言えません」と言わたけれど、(確かにもちろん体調によるんだけど、)はらメディカルの説明会のおかげで、年齢だったり、いくつくらい採卵したいかによって排卵誘発剤の強さを決めればいいということもわかった。

 

体外受精はそれを決断するだけですごく悩むことだから、うっかりすると「病院を選ぶ」という行為を忘れてしまいそうになる。

 

でも、わたしたちは二ヶ所行ってみて、体外受精に少し前向きになっている。

多くの説明会は無料だし、通っていた自分の病院と比較すると何かしらわかるはず。

もう一度言うけど、体外受精なんて本当はしたくないし、考えていなかった。

 

でも、今まで通り妊活を続けていても、意味がないという現実がじわじわと迫ってきた。

35歳の自然妊娠の可能性は約25%。

AIHでの妊娠率は約7~8%。

体外受精での妊娠率は、約25~30%。

でも卵管やピックアップに問題があれば、

私たちの場合、自然妊娠の確率はいくらやっても0%だ。何をしてもスタートラインに立てない。

 

「子供は授かりもの」と言うけれど、簡単にはそう言えない部分がある。普通の人と同じ基準で考えると、とても辛くなる。生殖機能がないって、案外深く傷つくことなのだ。

 

そもそも体外受精でしか授かることができないなら、どこがスタートラインだろう?

そう考えれば少し気分も楽になるような気がする。

 

珍しく誰かの役に立つかもと思い、長く書いてしまった。

 

最後に、違う病院も見てみたいと旦那さんが言ってくれたことに感謝している。

ナイーブな話だし経験者も少ないから、相談できるひとが少なくて、意見が偏りがちだと思う。夫婦で協力して進められるというのは心強い。

 

あともう一箇所、NAC日本橋(Natural Art Clinic)にも行くつもりでいる。なにか思うことがあればまたここに書こうと思う。

 

体外受精をしない決断をしに説明会に行ったのに、今ではやってみようかと思っている自分がいる。不妊と向き合ってから、本当にいろいろと考えさせられる。全然すんなりといかない。

 

村上春樹的に言うと、「やれやれ」という感じだ。

 

やれやれ。