はやくんは工事現場が好きだ。
よくよく観察していると、大人だって知らないことがたくさんある。
工事現場から出てくるダンプトラックが、タイヤを洗浄されてから出ること。
けっこう手を振ってくれる、大型車両を乗りこなすおじさんたちの優しさ。
クレーンに吊るすもののバランスと、国家資格が要る仕事だということ。
ショベルカーの、驚くほど滑らかな動き。とてもスティック型のハンドルで操作しているとは思えない。。
はやくんは、そういうひとつひとつを、じーっと見ている。
きらきら、わくわく、という感じではなくて、真剣な眼差しで、見入っている。
3ヶ月くらいのころから、タイヤや、汽車の絵本が好きだった。理由なんてなくて、もはや本能的なものなんじゃないかなと思いさえする。
例えば恋のような。
本当に好きなんだなぁと思う。