ずっと気になっていた箱庭療法。
箱庭の使い方から、治療者の心構え、大まかな配置やそれぞれのものが意味する傾向、事例など、詳しく知ることができる。
事例と時系列に並べられた箱庭の写真を照らし合わせて読むと、治療の過程がよくわかる。
その辺の感動小説よりぐっときてしまう。
非言語での表現を通して、クライエントは段階的に回復していく。それは単なる砂遊びを積み重ねてるんじゃない。
勇気を振り絞って社会や親たちと戦い、自分と向き合い、悪戦苦闘している様を、無意識に箱庭の中に表現しているように見えた。
思いついて、箱庭を見るのと同じように、絵の構図やモチーフを見てみた。
例えば磯江さんの画集を見てみると、左側と右側の使い方に特徴がある。
左側は果物のような"生きているもの"が来て、右側は食器などの無機物が来たり、大胆にも空っぽになっている絵も多くある。
箱庭では、左側は自分の内的な部分で、右側は社会的なものを表すことが多いそうだ。
こんな見方が合ってるかわからないけど、今までなかった視点で新鮮だ。
ちょうど自分が描こうとしている絵の構図を悩んでいたので、絵を箱庭だと思って客観的に見つめてみた。
少しヒントになるだろうか。