小さな海の生き物

ナショジオの記事で読んだ、サンゴ礁に隠れて生きるミクロな生き物たちの話が面白かった。

 

彼らの多くがとても短命で、多くの捕食者に囲まれ、その餌食となりながら、たくまくしく生きている。

大きな魚に捕食されてしまう運命を受け入れ、工夫して子孫を残し、生きている。

 

そうすると大量に卵を産んで数匹が残ればいい、という子育てを想像してしまうが、そうではないようだ。

 

子供たちを大切に育て、数日~数週間の命で寿命を迎えて(多くの場合はその前に捕食され、)一年のうちに何度も世代が交代し、ものすごいスピードで小さな進化を繰り返しているらしい。

 

サンゴ礁がある熱帯地域の海は、基本的に栄養が少ないとされているが、あれほど多くの種類の魚が生活していけるのは彼らのおかげだだ。

 

彼らの存在は、「サンゴ礁の食物網に生物学的エネルギーを常に送り続けるポンプのようなもの」だという。

 

大いに繁殖し、そして捕食されていく。

全く違う生き方をする彼らに、とても心惹かれる。

それなのに、どこか似たところがあるような気になって、さらに惹かれてしまう。

小さな体で、たくましく必死に生きる姿に、命の尊さを思う。

 

ダイビングの時に見た、親指の先ほどの海老が、両方のハサミをぐっと上に伸ばして私を威嚇していた姿を思い出す。

小さなテリトリーを守る勇敢な海老だった。

 

なんというか、全然敵わないし、心底感動してしまうのだ。