人工授精のことを書こうと思う。
検査がひと通り終わった10月のエコー検査時に、人工授精の話が出た。
挑戦の目安は5~6回で、それで難しければステップアップしていくものらしい。
「どうしますか?」と聞かれ、面食らった。
とりあえずまず2人で相談したいのでその時はスキップさせてもらうことに。
検査結果を踏まえて、まずは先生が今後の方針を示してくれるのかと思っていたので、急に判断を委ねられて、正直少し不審に思ったというか、裏切られたような気持ちになってしまった。
クリニックだから、先生が色々と考えてやってくれるのかと思っていた。
でも考えてみれば、不妊治療は私たちの意思で行っているのだ。病気とは、違う。
最近の自分の中での不妊治療のイメージは、美容整形だ。語弊があるのはわかっていながらも、そう思うとけっこういろいろと納得がいく。
しなくても死なないし、生きていける。けど、そうしたいからやっている。
「(人工授精を)無理にする必要はないんですよ。どのように進めていくか、お二人で決めてもらえれば」と先生が言っていたのを思い返して、それに気づいた。
そうなのだ。
検査は言われるがままやっていたので、同じようにアドバイスをもらってそれに従えばいいと思っていたけれど、考えてみればここからの方針を決めるのは私たち自身なのだ。
よーし。
知らなくては何も決められないということで、まずは人工授精について調べ、さらにその先にすることになるかもしれない体外受精や顕微鏡受精まで調べてみた。
そして、あくまでも私たち2人はということだけど、人工授精はいいけど、体外受精と顕微鏡受精についてはあまり乗り気になれないものだということがわかった。
それは体から卵子を取り出して受精したり、"誰かが選んだ"精子を、"誰かの手によって"受精させるということに、抵抗があったからだ。
人工授精(AIH)は1~2回めの確率が高いので、それ以上試さずに、すぐに体外受精にステップアップする人たちもたくさんいる。
でもわたしたちは人工授精ならできるだけ自然な方法だと理解して、最大回数の5~6回までは試してみることにした。
それでダメなら、体外受精のことをもう少し検討してみよう。もしくは諦めよう。
そういうことにした。
費用は一回2万円程度。
本当に驚くほどお金がかかる。
でも方針が決まると、ひとつ安心した。
一歩前進。
長いので、次に続く。